Vancouver Note

バンクーバー生活のメモなど

転換語nonethelessとnone the 比較級

Essay等を書く際に必ず教えられるtransitional words(転換語)。文章の論理構成を明確にするために使用され、代表的なものには

  • Firstly, first of all
  • Besides, in addition
  • However, nonetheless
  • As a result, in conclusion

などがあるが、その中の逆接に用いられるnonethelessについてのメモ。

howeverとnonetheless

 「後続の文章が前文に対して対照的な場合」に使用し、どちらもまとめて逆接の転換語として示されるが、使い方には区別があるもよう。

Oxford Advanced Learner's Dictionaryを引いてみると

  • however

    used to introduce a statement that contrasts with something that has just been said

  • nonetheless

    despite this fact

となっており、howeverはそのまま「後続の文章が前文に対して対照的な場合」に当てはまる。 nonethelessは少し分かりにくいのでdespiteを引いてみると

  • despite

    used to show that something happened or is true although something else might have happened to prevent it

であり、つまりhoweverよりは意味が限定され「前文から予測される結果とは異なる場合」に用いられる。例文にしてみると

 Mr. A likes tomato. However, Mr. B does not.はありだが、
 Mr. A likes tomato. Nonetheless, Mr. B does not.は前文から論理的な予測が成り立たないため厳密には間違い。

 ここまでの厳密さが必要な場面は少ないとは思うが、essayの添削等でネイティブはそうは言わない、と細かくチェックされたりするのはこういうニュアンスを見ているのかなと思ったので調べてみた。

none the 比較級

 nonethelessはnone the lessが接続詞として使われるようになったものだと思うが、そもそもの「none the 比較級」について。 ここで使われている「the 比較級」は

 The longer I work, the better my evaluation becomes. (長く働けば働くほど、評価が上がる)

に用いられているものと同じで、意味は「その分~」。これにnoneがつくことで、「その分~になる」が打ち消され、「その分〜になることはない」になる。

 用いられる構文としてはnoneの他にallがつくものもあり、この場合は「その分だけ一層~」とallによる強調と捉えられる。構文をまとめると

  • all the 比較級 for noun phrase/ because S V 「~の理由で一層...になる」
  • none the 比較級 for noun phrase/ because S V 「~の理由で...になることはない (~にも関わらず...ではない)」

 接続詞nonethelessは上記の構文からきたもので、「前述の文章にも関わらず、nonetheless以下でない」を示すようになったのでは。